フォト
無料ブログはココログ

« アキレスと亀は無限遠に到達したのか≪無限は実在するか2≫ | トップページ | 0.999…と区間縮小法≪無限は実在するか4≫ »

2011年3月21日 (月)

0.999…の「…」は何を意味するか≪無限は実在するか3≫

アキレスと亀のパラドクスに似た問題で「0.999…=1であるか」というものがある。本節では、この問題を問うことによって実無限と可能無限について考えてみたい。

実無限によれば、「0.999…」の「…」は「以下同様、どこまでも続く」というだけの意味ではなく、「どこまでも終わらない永遠の、その彼方にまで到達してしまったとする」という無茶な無限を意味するものである。だから、「0.999…」は正しく「1」に等しいものになる。

これに対して、可能無限では、「0.999…」の「…」を単に「以下同様、どこまでも続く」という意味にしかとっていないので、「0.999…」は果てしなく「1」に近づくのだけれど決して「1」には到達しない。だから、どこまで行っても「0.999…≠1」なのだ。

たとえば、下の図のように、新聞紙を次々と半分にしていくとき、実無限ではその全てを最後まで半分にしていけるものとして考え、下図は隙間なく埋められ得る。そして、可能無限ではどこまでも永遠に半分にしていく作業が続くものとして考え、どこまでも隙間が埋まることはない。

0111

新聞紙の全紙を「1」として2進法で考えたとき、新聞紙半分が「0.1」になる。その残りの半分が「0.01」になる。またその残りの半分が「0.001」になる。…以下同様。そして、その全てを合わせたものは「0.111…」として表記される。
このとき、これを実無限でとらえると「0.111…」は新聞紙全紙ときちんと正しく等しいものになり、「0.111…=1」である。
対して、可能無限でとらえると「0.111…」は新聞紙全紙とほとんど等しいのだが、わずかに隙間が残ってしまうことになるので完全に等しいものにはなり得ず、「0.111…≠1」である。

「0.999…=1」であることの証明は、一般的に、①代数的説明、②無限級数を用いたもの、③区間縮小法によるもの、④デデキント切断によるもの、などがある。
これらの証明を実無限や可能無限はどのように考えているのかを順に見てみよう。

 

①代数的説明について

実無限による証明はこうである。

C=0.999… と置く。すると、10×C=9.99… である。
10C-C を取ると、9.999…-0.999…=9 になるから、9C=9 になる。
だから、C=1 つまり、0.999…=1になる。

0999_2 

10倍してひき算すると小数点以下がすっぱりとカットされて、1だけが残る。だから、0.999…=1 が証明される。

これに対して、可能無限はこの証明を受け入れない。

可能無限によれば「0.999…」の「…」は無限の彼方の最後まで行ってしまえるものではないので、実際には、100万ケタであったり、5千億の5千億乗ケタであったりするところで「…」が終わる。とすると、
C’=0.999…9(9がnケタ続く。nはどんな大きな数でもいい。) となる。10C’-C’ を取ると、9.999…9-0.999…9=8.999…91 になる。だから、C’は0.999…9 でしかない。

0999_3

つまり、実無限を認めなければ、「0.999…=1」にはならないのだ。

  

 

②無限級数を用いた説明について

1+a2+a3+…+an+… というように、ある無限数列{a}を順に足していったものを「無限級数」という。そして、この足し合わせた和が、ある数にどんどん近づいていくとき「級数は収束する」という。

「0.999…9」の「9」が「n回」くり返されたとして、この「n」が大きくなっていくと、「0.999…9」は「1」に近づく。そして、「n」が無限になるとき、「0.999…」は「1-Lim110lim1/10^(n→∞のとき))」になる。この「Lim110_2 」を「d」として、d=0 になるのであれば、つまり、「すきまが無くなるまで」収束するのだとすれば、「0.999…=1」 になるはずだ。

0999_4

そして、このとき、実無限派は「収束」をこう定義する。

Photo

「数列{an}が実数αに収束するとは、どんなに小さな正の実数εに対してでも次の条件を満たす自然数Nが存在するということである。
(条件) n>N を満たすすべての自然数nについて、
an-α|<ε である。このとき、αを数列{an}の極限といい、liman(n→∞)=α と書き表す。」

つまり、

0999_6

どんなに小さな実数εを持ってきたとしても、0,999…と1との差の方を小さくとることができる。そして、この事実のことを、 「0.999…=1」と書き表すのだ。・・・と決めてしまったのだ。

定義してしまったのだから、「0.999…=1」は絶対的に真である。

これに対して、可能無限はこの定義を受け入れない。

0.999…と1との差d は限りなく小さくできる。しかし、だからといって、それを0としてしまってはいけないと言う。実無限のいう「収束」はやはり、到達できないはずの無限の彼方にまで達してしまうものであるので、とうてい認められるものではない。
それゆえ、話は単純だ。「d」をどこまでも小さくできるからと言って、0にならないはずの「d」を「0」だと定義してしまっただけのものだ。「0.999…=1」にする必然などどこにもないだけでなく、してはいけない定義なのだ。・・・とする。

どうだろうか。本当はどっちなのだろう。どちらが正しいのだろうか。

どっちでも好きにすればいいのだろうか。

しかし、もし、0.999…≠1だとするのなら、0.999…=1ではないとするのなら、可能無限は0.999…と1との間に何らかの数を見つけなければならないのではないだろうか。

この辺りの疑問は、次においておく。次節で区間縮小法などによって0,999…を考える中で取り扱いたい。

 

つづく「無限は実在するか4」

無限は実在するか目次

« アキレスと亀は無限遠に到達したのか≪無限は実在するか2≫ | トップページ | 0.999…と区間縮小法≪無限は実在するか4≫ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/548679/51169924

この記事へのトラックバック一覧です: 0.999…の「…」は何を意味するか≪無限は実在するか3≫:

« アキレスと亀は無限遠に到達したのか≪無限は実在するか2≫ | トップページ | 0.999…と区間縮小法≪無限は実在するか4≫ »