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2011年1月 7日 (金)

「自分自身を要素として持たない集合の集合」≪ラッセルパラドクスの内包と外延2≫

パターン②「自分自身を要素として持たない集合の集合」

ラッセルのパラドクスの2つ目のパターンは、集合の問題として考える。

集合Wを「自分自身を要素として持たない集合の集合」とする。
これは
W={X|X∉X}(集合Wの任意の要素Xは、別の集合でもあって、その集合XにX自身が要素として含まれることがない。)という式で書ける。

 

「自分自身を要素として持たない集合」とは何か。

たとえば、「野球選手の集合」。これは、野球選手という野球選手をすべて集めた集合になる。野球界みたいなものになるだろうか。この「野球選手の集合」は、野球界であったとしても、野球選手ではない。当たり前だ。だから、「野球選手の集合」はそれ自身の要素にならない。だから、「野球選手の集合」は「自分自身を要素として持たない集合」である。
たとえば、「犬の集合」。これは、犬という犬をすべて集めた集合になる。犬界全体みたいなものになるだろうか。この「犬の集合」は、犬界であったとしても、犬ではない。当たり前だ。だから、「犬の集合」はそれ自身の要素にならない。だから、「犬の集合」は「自分自身を要素として持たない集合」である。

そこで、これら「自分自身を要素として持たない集合」をすべて集めてみる。こうして、「自分自身を要素として持たない集合の集合」Wができる。

この集合Wは、この集合自身の要素になるだろうか

さて、この集合Wは、この集合自身の要素になるだろうか。
まず、WがW自身の要素だと仮定してみる。すると、それは、同時に、Wを「それ自身の要素にならない集合」であるとしたことになるのだ。つまり、Wは、W自身の要素であり、かつ、W自身の要素にならない、ことになる。矛盾である。
次に、WがW自身の要素ではないと仮定してみる。
すると、それは、同時に、Wを「それ自身の要素にならない集合」ではないとしたことになるのだ。つまり、Wは、W自身の要素ではなく、かつ、W自身の要素でないのではない、ことになる。いずれにしても矛盾である。

だから、
W={X|X∉X}などというものは、集合ではない。あるいは、W={X|X∉X}などという集合は、あり得ない。と結論づけられる。

しかし、どこがおかしかったのだろう。

「それ自身の要素にならない集合」が、ダメだったのだろうか。「野球選手の集合」「犬の集合」など「それ自身の要素にならない集合」はどこにでもある。「それ自身の要素にならない集合」自体は、おかしなところがない、普通の概念であるはずだ。

「集合の集合」が、ダメだったのだろうか。たとえば「野球選手の集合」としては、「タイガース」や「ブレーブス」など色々なものが考えられる。これらをまとめて、「野球選手の集合の集合」というものを考えても、まったくおかしなところなどない。普通の概念であるはずだ。

それが、「自分自身の要素にならない集合の集合」となると、パラドクスになってしまう。
どこがおかしかったのだろうか。集合の意味から考え直してみる必要があるかもしれない。

つづく ラッセルパラドクスの内包と外延3

ラッセルパラドクスの内包と外延 目次

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