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2010年5月11日 (火)

なぜ【有り】が動詞で【無し】は違うのか

なぜ【有り】が動詞で【無し】が動詞ではなきかを思ひ居り 夏葬儀

この短歌は昔、有と無が反対語でありながらあまり対称になってないことを不思議に思って作ったものだ。【有り】は動詞であるが、【無し】は形容詞である。動詞と形容詞とで反対語なんて他にあるのだろうか。
まあ、【無し】が動詞になるのもおかしい気はするものなあ。

この有と無の非対称性と、存在文と全称文の非対称性が似ているような気がする。非対称とは
存在文 ∃x(Fx):「あるものが存在し、それはFなるものである」
の否定が、
全称文 ∀x(¬Fx):「あらゆるものについて、それはFではない」
になる、このことだ。

これは、なにかの存在を否定しようとする時に、「『その無いなにか』が無い」とするわけにはいかないので、あらゆるものについて、全部を調べて、いずれもが「そのなにかではない」ことを示すためにこうなっているのである。
何かが「ある」というのは、その有るものについて、それの存在を言うものであるが、「無い」というのを示そうとするのに、無いものを示すわけにはいかないので、世界中に存在するすべてのものを対象にしてそれがその「あるもの」ではないことを調べることになってしまうからである。

このことを考えると、それぞれが動詞と形容詞であることが正解なような気がする。
古えから日本語を使い、作ってきた人々は、無意識のうちに「ある」と「ない」が全く違うことだということを感じていたのだろう。

思いつきの言々

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コメント

こんにちは、時々ブログを拝見させていただいています。
いつもながら、鋭い切り口にサプライズを感じています。
動詞と形容詞の使い方から存在論を語るとは!

eriugenaさん、こんにちは。
読んでいただけてありがとうございます。
パズルを解く楽しみで哲学をしていますが、間違いも多いと思います。
ご意見いただければ嬉しいです。
これからもよろしくお願いします

言われてみれば違いますね!流石です!
無しは、つまりは「反例」のようなかんじですかね?

Rさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
無しは反例と言うか、不思議な概念ですね。
生と死の非対称性にも通じるような気がします。

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