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2010年4月29日 (木)

世界を正しく表す文はあるか3 全称文と存在文

課題文③「ハクチョウが白い」
「ハクチョウが白い」とだけ言われても、それが「ハクチョウというハクチョウがすべて白い」という意味なのか、「白いハクチョウがいる」という意味なのかをはっきりさせないとその中身を吟味することができない。そこで、全称文と存在文という、論理文の分類方法を利用することで、文の種類を整理して、その内容を考えていくことにしたい。
全称文とは、全ての対象について、それがどんな様子であるかを示す文のこと、
存在文とは、ある対象について、それが存在することを示す文のこと、
として課題文が何を言わんとしているのかをはっきりさせるよう、言い換えをしてみよう。

課題文③-1 「ハクチョウはすべて白い」
「ハクチョウはすべて白い」を、ハクチョウについてだけ語っている文としてとらえるのではなく、「あらゆる対象について考えたときにその対象のうち、それがハクチョウであるならどうだ」という内容を語るものだと解釈すると、「全称文」と呼ばれるものになる。そこで、課題文を全称肯定の論理文として言いかえよう。
∀x(Fx⊃Gx):「全ての対象について、それがハクチョウであるならば、それは白い」
(「∀」:「すべての」「任意の」を意味する全称記号、「∀x」:「すべてのxについて」、「∃」:「存在する」を意味する存在記号、「∃x」:「あるxが存在して」、「Fx」:「xはハクチョウである」、「Gx」:「xは白い」、「⊃」:「ならば」、「∧」:「かつ」、「¬」:「ではない」を表わす否定記号、として。)

課題文③-2 「白いハクチョウがいる」
「白いハクチョウがいる」は全てのハクチョウのことを言っているのではなく、「そういう対象が存在する」という有限個の対象の存在について語っている文で、「存在文」と呼ばれるものになる。
存在肯定文として言いかえるとこうなる。
∃x(Fx∧Gx):「あるものが存在し、それはハクチョウであり、かつ、白い」

この際だから、否定文についても示しておきたい。

課題文③-1’「ハクチョウはすべて白い」の否定
「ハクチョウはすべて白い」の否定というのは、「1羽以上の白くないハクチョウがいること」を意味することになるので
∃x(Fx∧¬Gx):「あるものが存在し、それはハクチョウであり、白くない」
と同値になる。だから、
¬∀x(Fx⊃Gx)=∃x(Fx∧¬Gx)
「ハクチョウはすべて白い」ではない=「白くないハクチョウが存在する」
だと一般的にされている。これには疑問の余地があるのだが、今はこれらが等しいことをとりあえず認めておくことにしたい。

課題文③-2’「白いハクチョウがいる」の否定
「白いハクチョウがいる」の否定は「白いハクチョウがいない」だから
∀x(Fx⊃¬Gx):全ての対象について、それがハクチョウであるならば、それは白くない」
と同値になる。だから、
¬∃x(Fx∧Gx)=∀x(Fx⊃¬Gx)
「白いハクチョウがいる」ではない=「すべてのハクチョウは白くない」
だと一般的にされている。ここでもこれらが等しいことをとりあえず認めておくことにしたい。

さて、ここまで全称文と存在文という分類の仕方と、その否定について、一般的な論理文の分類について説明させてもらった。この分類をもとに、それぞれの文について、分析性と総合性、そしてそれらの真偽について考えたい。しかし、今日はここまで。

つづきはまた次節に。 世界を正しく表す文はあるか4

 

世界を正しく表す文はあるか目次

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